多言語ホームページ制作の進め方|言語選定・URL設計・翻訳手法から制作会社の選び方まで
取引先や仕入先に海外の会社があるのに、自社サイトは日本語しか対応していない場合、商談の入口で信頼を失っているかもしれません。
外国人採用を強化したい企業も、求人ページが日本語のみでは外国人応募者の選択肢から外れやすい状況にあるといえます。
とはいえ、多言語ホームページ制作は「翻訳を頼む」だけでは完結しません。
URL設計やhreflangタグ(検索エンジンに言語や地域の対応を伝えるHTMLタグ)の実装、CMS選定、多言語SEOと、複数の専門領域が絡み合います。
どれか1つでも設計を誤ると、あとから修正するためのコストが制作費を超えることもあります。
この記事では、BtoB製造業・IT・専門商社の担当者の方に向けて、「制作会社への発注前に何を決め、何を確認すればよいか」という実務の視点で整理します。
この記事でわかること
- 言語・URL構造・翻訳方法の決め方と優先順位
- 費用相場(制作費・翻訳費・SEO対策費・運用保守費)の目安
- 発注前に制作会社へ確認すべき4つの質問
多言語ホームページを制作する前に決めること
多言語対応は、「翻訳ページを追加する」という技術的な作業ではなく、「誰に何を届けるか」というコミュニケーション設計です。
制作に入る前に目的と対象言語を決めておかないと、翻訳するページの優先順位が決まらず、予算も無駄に膨らみます。
目的によって変わる3つの判断軸

多言語対応を始める目的は大きく3つに分かれます。
目的を先に明確化することで、優先して翻訳すべきページと予算配分の判断基準ができます。
海外販路拡大が目的の場合、優先すべきはターゲット国の商習慣と検索ボリュームの調査です。
製品・サービスページの翻訳品質が受注確率に直結するため、トップページと製品ページの翻訳を最初に仕上げます。
制作会社には「ターゲット国の検索行動に合ったキーワード設計の提案」を求めます。
続いて、外国人採用が目的の場合、採用ページとエントリーフォームの多言語対応が最優先です。
会社概要がどれだけ充実していても、応募フォームが日本語のみでは完了率が下がります。
仕様書には「エントリーフォームの多言語対応」を明記し、制作会社に確認させます。
最後に、海外パートナーからの信頼獲得が目的の場合、会社概要と製品スペックの正確な翻訳が最優先になります。
特に製造業では、技術仕様がビジネス上の契約に影響するため、高い翻訳精度が求められます。
担当者として最初にすべきことは、この3択から自社の目的を選び、翻訳ページの優先順位を事前に整理することです。
制作会社への依頼段階で優先順位が確定していると、見積もりの精度も上がります。
▶︎外国人採用で使う採用ページの作り方はこちら
📄 関連記事 採用サイトを安く作る方法|テンプレート活用でプロ品質にする手順 ›対象言語の選び方(BtoB製造業・ITの実務判断)
対象言語は「現在の取引実態」から逆算して2〜3言語に絞ることで、翻訳コストを現実的な範囲に収められます。
BtoB製造業・IT・専門商社は英語から始めるのが一般的であり、これには2つの理由があります。
1つは世界共通語として翻訳品質を担保しやすく、プロ翻訳の実績が豊富な点。
もう1つは、英語版を「ベース原稿」として作っておくと、中国語やスペイン語などの他言語への展開時に翻訳コストを下げやすい点です。
英語から始めることで、他言語展開の総費用を抑えられるのです。
英語の次に中国語(簡体字)を追加するかどうかの判断基準は、取引先・仕入先に中国本土・東南アジア系企業が含まれているかどうかです。
台湾・香港向けには繁体字が別途必要になるため、同じ「中国語」でも対象地域によって文字体系が変わることを制作会社との共通認識にしておきます。
対象言語を絞るにあたっては、展示会来場者の国籍データ、既存の海外問い合わせの発信地域、商談相手の主要国の3つのデータを自社で確認することが出発点です。
言語別のSEO設計(言語別キーワード調査)は制作会社が担当する領域ですが、「どの国に向けて発信するか」という方針は担当者側で事前に決めておく必要があります。
なお、多言語対応の前提として、日本語サイト自体の構造とコンテンツの品質も重要です。ホームページ制作にかかる費用全体を先に把握しておくと、多言語対応に充てられる予算の枠が見えやすくなります。
URL構造とhreflangタグ――制作段階で決める技術設計
URL構造は「あとから変更できない判断」の一つです。
公開後にURL構造を変えると、既存の検索順位やドメインの評価が影響を受けます。そのため、URL構造は制作着手前に決め、仕様書に明記することが重要です。
URL構造3択の比較

多言語サイトのURL構造には3つの選択肢があります。
1つ目の国別CCTLD(country code Top Level Domain:国別トップレベルドメイン)は、example.co.jp(日本)・example.com(グローバル)・example.cn(中国)のように、国ごとに別のドメインを持つ方式です。
検索エンジンへの地域シグナルが最も強く、ユーザーの信頼感も高い反面、管理コストが最大です。
ドメインの取得・サーバー管理・SEO対応を国別に個別に行う必要があり、中小企業には現実的ではない運用負荷がかかります。
2つ目のサブドメインは、en.example.com(英語)・zh.example.com(中国語)のように、言語ごとに独立したサブドメインを設ける方式です。
言語ごとに独立した管理ができる一方、SEOの評価がサブドメインごとに分散するため、既存ドメインの評価を引き継ぎにくい面があります。
3つ目のサブディレクトリは、example.com/en/(英語)・example.com/zh/(中国語)のように、同一ドメインの配下でディレクトリによって言語を分ける方式です。
既存ドメインのSEO評価をそのまま引き継げるため、中小企業にとってコストパフォーマンスが最も高い選択肢です。
設定・保守とも同一ホスト上で完結し、管理負荷も最小限に抑えられます。そのため、中小〜中堅規模のBtoB企業には、サブディレクトリを推奨します。
Google公式ドキュメントもサブディレクトリを「設定が簡単・保守負担が低い」と評価しています。
担当者としてすべきことは、どのURL構造を採用するかを制作会社に明示し、仕様書に反映させることです。
URL構造の実装や既存URLからのリダイレクト設定は制作会社が担当します。
なお、サブドメインとサブディレクトリの国内SEO運用(ドメインの評価共有・運用負荷の比較)についてはホームページドメインの選び方でも解説しています。
hreflangタグとは何か・設定しないとどうなるか

hreflangタグとは、「このページは日本語ユーザー向け」「このページは英語ユーザー向け」という対応関係を検索エンジンに伝えるHTMLタグです。
設定しない場合、日本語ユーザーの検索結果に英語版ページが表示されたり、同じ内容を翻訳しただけのページが重複コンテンツとして評価され、検索順位に悪影響が出たりするリスクがあります。
担当者が仕様書に明記すべき最低限のルールは3点です。
1つ目は双方向設定。
AページからBページにhreflangを設定したら、BページからAページへの設定も必要です。
片方向だけでは検索エンジンが正しく認識しません(Google公式:”If page X links to page Y, page Y must link back to page X.”)。
2つ目は絶対パスでの記述。
Web制作の現場では、ドメイン部分を省略した「/en/about/」のような書き方(相対パス)がよく使われます。
しかし、hreflangタグでこの省略形を使うことには、検索エンジンがページを正しく認識できないリスクがあります。
そのため、必ず「https://」から最後まで省略せずに書く完全なURL(絶対パス)で記述します(”Alternate URLs must be fully-qualified, including the transport method (http/https)”)。
3つ目は言語・地域コードの正確な指定。
「ISO 639-1(言語コード)」と「ISO 3166-1 Alpha 2(地域コード)」の国際規格に沿って正確に記述します。
同じ英語でも米国と英国、中国語でも簡体字と繁体字ではコードが異なります。
【よく使われる指定コードの例】
・日本語(日本):ja-JP
・英語(米国):en-US
・英語(地域を限定しない):en
・中国語(簡体字・中国本土):zh-CN
・中国語(繁体字・台湾):zh-TW
担当者の役割は、「自社のターゲット国に合わせたコード指定と絶対パスでの実装、および公開後の検証手順を仕様書に明記してほしい」と制作会社に依頼することです。
翻訳品質がサイトの信頼を左右する――機械翻訳だけではいけない理由

多言語ホームページで最も差が出るのが翻訳品質です。デザインや機能は制作会社が担保できますが、翻訳の精度は依頼先・翻訳手法の選択が直接影響します。
機械翻訳の問題がBtoBで深刻になる理由
機械翻訳の精度は年々向上しています。日常会話レベルであれば、読み手に違和感を与えない品質になってきました。
一方で、BtoB製造業・ITのサイトには「材料規格」「製造プロセス」「業界固有の法令用語」が頻出します。
こうした専門用語は、機械翻訳が文脈を誤認して別の意味の言葉に変換するリスクが高い領域です。
この問題の厄介な点は、「読めないほど変ではないが、プロのバイヤーが読むと不自然」という状態が生まれることです。
担当者が日本語しかわからない場合、翻訳品質の問題に気づかないまま公開し続けてしまう可能性もあります。
また、Googleはユーザーに価値を提供しない機械翻訳コンテンツの大量生成を「Scaled Content Abuse(スケールコンテンツの乱用)」と見なして評価を下げるポリシーを明示しています。
そのため、翻訳の大量生成が検索エンジンの評価にも影響することを念頭に置く必要があります。
担当者としてすべきことは、自社サイトの「専門用語が多いページ」をリストアップし、プロ翻訳が必要なページを確定しておくことです。
翻訳会社との橋渡しや翻訳工程の品質管理は制作会社が担当します。
ハイブリッド翻訳の実務設計

全ページをプロ翻訳にすれば品質は担保できますが、費用が膨らみます。そこで、現実的な選択は「翻訳手法の使い分け(ハイブリッド翻訳)」です。
プロ翻訳を優先すべきページは、トップページ・製品・サービス紹介・会社概要・採用ページです。
これらは信頼の形成に直接関わるページであり、一文の誤訳が商談の障壁になり得ます。
機械翻訳+ポストエディット(機械翻訳の出力を人間が校正・校閲する工程)で対応できるページは、FAQやニュース・コラムなどの、量が多く更新頻度が高いコンテンツです。
すべてをプロ翻訳としないことで、コストを抑えつつも一定の品質を保てます。
もう一つ考慮したいのが、ローカライゼーション(ローカライズ)の視点です。
ローカライゼーションとは、翻訳にとどまらず、文化・慣習・単位系・表現のニュアンスを現地向けに調整する作業を指します。
例えば、日本では「ご連絡ください」という表現が丁寧ですが、英語のビジネス文書では”Please contact us”が標準です。
こうした表現の差異を調整するのがローカライゼーションの役割です。
ハイブリッド翻訳の工程設計や翻訳会社・ツールの選定は制作会社が担当しますが、「ローカライゼーションまで対応するか」という方針は発注前に決めておく必要があります。
費用相場と予算の組み方

多言語ホームページ制作の費用は「制作するだけ」では終わりません。翻訳・SEO・運用保守まで含めた4区分に分類して把握することが予算計画の出発点です。
費用の構成要素(4区分)と各相場

4区分のうち、翻訳費が費用構成のうちの大きな割合を占めることが多く、翻訳手法の選択が予算計画の最重要ポイントになります。
制作・設計費用は、ページ数・言語数・CMS改修規模によって大きく変わります。
小規模サイトでは50〜100万円程度、大規模サイトでは100〜300万円程度が目安です(JPC調べ)。
多言語SEO対策費は、構造化データの実装・hreflang設定・言語別キーワード調査を含みます。50〜100万円程度を目安として、見積もり内に項目があるかを確認します。
翻訳費用は翻訳手法によって大きく異なります。
人力翻訳の単価は1文字あたり8〜15円、人力校正込みで約18円が相場です。
自動翻訳はほぼ1円以下、自動翻訳に人による確認を組み合わせた場合は3〜8円/字が目安になります(グローバルサイト・ブランディング調べ)。
BtoB専門用語が多いページをすべて人力翻訳する場合、翻訳費が制作費を上回るケースもあります。
運用・保守費は、コンテンツ更新やCMS保守を含めて月額2〜10万円が目安です(グローバルサイト・ブランディング調べ)。
担当者として準備すべきことは、4区分のそれぞれの目安と総額の目安をもとに、制作会社への見積もり依頼時の項目リストを作ることです。
予算を抑えるための考え方
費用を現実的な範囲に収める方法は「段階的な言語追加」と「翻訳手法の使い分け」の組み合わせです。
この方法であれば、初期投資を現実的な範囲に収めながらスタートできます。
具体的には、まず英語1言語だけで公開し、海外問い合わせや商談相手の変化を見て中国語の追加を判断するフェーズ設計が、中小〜中堅企業には合っています。
最初から複数言語に対応しようとすると、翻訳費が一気に増加します。
次に、前の章で整理したとおり、プロ翻訳が必要なページを絞り、その他のページは自動翻訳に人による確認を加える方法で補えば、翻訳費全体を大幅に圧縮できます。
もう一点、見落としがちなのが、既存日本語サイトのCMS(コンテンツ管理システム)です。
現在のCMSの更新性が低い場合、多言語対応の際にCMS改修費が追加でかかります。
あとから多言語対応を行う場合のCMS改修費を抑えるために、現在のCMSが更新しやすい構造かどうかをあらかじめ確認しておくと、予算の読みが安定します。
担当者としての準備は、フェーズ1(英語のみ)、フェーズ2(中国語追加)という段階的な予算計画を立て、フェーズ別の実装・追加言語対応は制作会社に委ねるという役割分担を行うことです。
▶︎予算を抑えて発注するときの考え方と稟議の通し方はこちら
📄 関連記事 格安ホームページ制作で成果を出す!失敗しない業者選び・稟議の通し方・運用の全手順 ›CMSと多言語プラグインの選択

多言語ホームページを公開したあとに、翻訳ページを社内担当者が直接編集できるかどうかはCMSの選択で決まります。
制作会社への依頼が必要な体制では、更新のたびに費用が発生し続けます。
WordPressプラグイン3選の使い分け
多言語対応のWordPressサイトで広く使われているプラグイン(WordPressに機能を追加するための拡張パーツ)には、「WPML」「Polylang」「Bogo」の3つがあります。
自社の規模・予算・WordPress運用経験に照らし、候補を1〜2つに絞りましょう。
1つ目のWPMLは、大規模サイトや多言語ショップに対応した機能が充実したプラグインです。
カスタムフィールドへの対応や、WooCommerce(WordPressで構築できるECサイトの機能)との統合が強みです。
価格はMultilingual CMSプランで€99/年〜(2026年9月時点)の年額ライセンスです。
価格は変動することがあるため、最新価格はWPML公式サイトでご確認ください。言語数が多く、翻訳管理を一元的に行いたい企業向けです。
2つ目のPolylangは、小〜中規模サイト向けで、無料で基本機能を利用できます。
WordPressの基本操作に慣れていれば導入しやすく、シンプルな多言語対応から始めたい場合の第一候補です。
3つ目のBogoは、設定が最小限で済む、シンプルな構造向けのプラグインです。無料で使えます。
管理ページが少なく、WordPressの操作に不慣れな担当者でも扱いやすい設計です。
担当者としてすべきことは、自社サイトの規模・WordPress利用状況を確認し、プラグイン候補を1〜2つに絞って制作会社に伝えることです。
プラグインの設定・カスタマイズ・テストは制作会社が担当します。
自動翻訳ツール連携(WOVN.io等)の位置付け
WordPressプラグイン以外の選択肢として、「WOVN.io」のような自動翻訳ツール連携サービスがあります。
既存サイトのコードを大きく変更せずに多言語化できる点が特徴で、スピードを優先した初期対応に有効です。
ただし、WOVN.ioは自動翻訳がベースになります。
BtoB製造業のように専門用語が多いサイトでは、翻訳の品質をどう管理するかを別途検討する必要があります。料金は個別問い合わせベースです。
担当者としてWOVN.io等のツール導入を検討する場合、専門用語ページの翻訳品質管理方法を制作会社に確認することを忘れないでください。
ツールの設定・連携・品質管理ルールの整備は通常、制作会社が担当します。
一般的なHP制作会社に依頼するときの注意点

多言語ホームページ制作は、一般的なホームページ制作とは異なる専門知識が必要な分野です。実績のない制作会社に発注すると、公開後に修正が発生し、費用と時間の両方が膨らみます。
起きやすい3つの失敗パターン

多言語制作の実績がない制作会社に発注すると起きやすい失敗は、3パターンあります。
3つの失敗はいずれも「多言語制作の実績がある制作会社への発注」によって防げるため、発注前の確認が唯一の予防手段になります。
失敗パターン1
機械翻訳をそのまま納品するパターンです。翻訳に関するノウハウがない制作会社は、DeepLやGoogle翻訳の出力結果をそのまま使って納品するケースがあります。
hreflangが設定されていないことも多く、言語切り替えが機能しないまま公開される事態も考えられます。
実際にBtoB専門用語を含むページで翻訳の品質問題が発覚するのは、海外の取引先から問い合わせが来てからというケースも少なくありません。
失敗パターン2
更新できないCMSを導入するパターンです。
公開後に翻訳ページの内容を修正したくても、CMSの構造上、担当者では触れない仕様になっていることがあります。
修正のたびに制作会社への追加依頼が必要となり、維持コストが当初の想定を超えます。
失敗パターン3
日本語サイトのSEOと多言語URLが衝突するパターンです。多言語対応のためにURL構造を変更したことで、既存の日本語ページの検索順位が下落するケースがあります。
既存サイトのSEO設計と多言語URL構造の整合を取らずに進めたことが原因です。
▶︎発注者が制作会社に確認すべきことの全体像はこちら
📄 関連記事 Webディレクションとは?発注者が知るべき仕事内容と制作会社の選び方 ›発注前に確認すべき4つの質問

担当者として発注前にすべきことは、下記の4点を制作会社に質問することです。
質問1:多言語サイトの制作実績は?
「実績ページを見せてください」だけではなく、「対応言語数はいくつか」「hreflangは設定されているか」まで確認します。
実績ページのURLをもらえれば、実際に複数言語で表示されるかを自分でも確かめられます。
質問2:hreflang双方向設定に対応しているか?
「設定します」という返答だけでは不十分です。
「双方向設定に対応しているか」「公開前に設定を確認するプロセスがあるか」まで聞きましょう。双方向設定の意味を即答できない場合は、専門知識が不足している可能性があります。
質問3:社内担当者が更新できるCMSか?
「多言語ページの内容を担当者が自分で更新できる構造か」「あとから言語を追加することは可能か」を確認します。
公開後の運用まで含めた見積もりを依頼すると、運用コストの全体感が見えます。
質問4:翻訳品質管理の体制は?
機械翻訳を使う場合は「誰がどのレベルで確認するか」を明確にしてもらいます。
「プロの翻訳者がチェックします」という回答であれば、担当者名や確認基準まで聞けると信頼性が高まります。
これらの4点を質問することで、多言語制作に不慣れな制作会社を発注前に見抜けます。
多言語対応を成功させるために押さえる5つのポイント

多言語ホームページ制作の成否は「制作後の修正」ではなく「制作前の設計決定」に大きく左右されます。最後に成功させるための要点を整理します。
まず、目的と対象言語を先に決めることが出発点です。
目的が決まれば、翻訳するページの優先順位と予算の配分先が定まります。言語の選定は現在の取引実績データから逆算して行うのが現実的な方法です。
次に、URL構造とhreflangの実装を制作着手前に仕様書に入れることが後戻り防止につながります。
特にhreflangの双方向設定・絶対パス・正確な言語コードは、仕様書の段階で制作会社に確認を取ります。
また、信頼に直結するページはプロ翻訳を優先し、社内で対応できる部分は社内で補うなど、翻訳手法を使い分けて全体費用を調整することが品質とコストのバランスを保つカギです。
費用は制作費・翻訳費・SEO対策費・運用保守費の4区分で把握し、段階的な言語追加で初期投資を抑えるという計画設計にすると、予算オーバーを防げます。
制作会社への発注前には、実績・hreflang対応・運用保守の設計・翻訳体制の4点を質問・確認することで、不適切な発注先に依頼してしまうリスクを事前に回避できます。
多言語展開の評価は、日本語サイトの基盤となるSEO設計に比例します。日本語サイトの構造とコンテンツ品質を固めておくことが、多言語展開で成果を出すための先行条件です。
【出典】 ▼
FAQ|よくある質問と回答
多言語ホームページ制作について、担当者からよくいただく質問にお答えします。
Q. 多言語ホームページ制作にかかる期間はどのくらいですか? ▾
A. 多言語ホームページ制作にかかる期間は、対応言語数・翻訳するページ数・翻訳の依頼先によって大きく異なります。工程別に考えると、URL設計と仕様確定に1〜2週間、翻訳作業には言語・ページ数によって2週間〜数か月、実装とテストに2〜4週間が目安であり、これらを合算した期間が全体の制作期間になります。また、翻訳をプロの翻訳会社に依頼するか、自動翻訳に人の確認を加える方法で対応するかによっても、翻訳工程の長さは数倍変わります。制作会社に問い合わせる際に「言語数」と「翻訳手法」を事前に整理しておくと、より具体的な納期の見通しをもらえます。
Q. 多言語サイトを公開したあと、検索順位が下がってしまった場合、制作会社に何を確認・依頼すればよいですか? ▾
A. 多言語サイト公開後に検索順位が下がった場合、まず制作会社に「どの言語・URLの順位が下がっているか」を報告し、原因の調査を依頼してください。担当者として制作会社に依頼すべき具体的な確認事項は3点です。1つ目が「hreflangの設定にエラーが発生していないか」の確認と定期レポートの共有依頼。2つ目が「多言語URLの変更前後でのインデックス状況の報告」。3つ目が「日本語サイトの既存ページへの影響はないかの確認」です。技術的な診断(サーバーログの解析・設定ファイルの確認)は制作会社が担当します。担当者が「どの指標が変化したか」を記録して共有することが、迅速な原因特定につながります。
Q. 社内に英語ができる人がいる場合、翻訳会社に頼まず自社翻訳でも問題ありませんか? ▾
A. 社内に英語話者がいる場合でも、BtoBサイトの翻訳を自社翻訳だけで完結させることは慎重に判断する必要があります。一般的なビジネス英語と、BtoB製品ページや技術仕様書で求められる翻訳品質の間には差があります。特に問題になるのは3点です。1つ目が専門用語の正確性(工業規格・材料仕様・業界固有の法令用語には一般的な英語話者には難しい表現が含まれます)。2つ目が用語の一貫性(複数ページにまたがる翻訳では、用語を統一する管理が必要です)。3つ目が表現の自然さ(英語圏のバイヤーに「外国人が書いた英語」と感じさせない品質に仕上げる必要があります)。会社概要・採用ページ・製品ページについては、社内英語話者による翻訳のあとに専門翻訳者のチェックを組み合わせる対応が、コストと品質のバランスとして現実的な選択肢になります。
Q. PolylangからWPMLへの移行を制作会社に依頼する場合、担当者として事前に何を確認・準備しておくべきですか? ▾
A. PolylangからWPMLへの移行を検討する場合、担当者として事前に整理しておくべき点が3つあります。まず、コスト増加の社内承認です。WPMLはMultilingual CMSプランで€99/年〜(2026年9月時点)の年額ライセンスが発生します。Polylangの無料プランから移行する場合、このコスト増加について社内で承認を得ておく必要があります。次に、移行の作業範囲の事前確認です。影響するページ数・想定工期・移行後の動作確認期間を制作会社に事前に聞いておきます。「移行費用はいくらか」だけでなく「移行後の保証期間はあるか」まで確認すると安心です。3つ目は、移行のタイミングの決定です。コンテンツ更新が少ない時期を選ぶことで、移行中のトラブルが業務に与える影響を最小化できます。バックアップの取得・リダイレクトの設定・hreflangの再確認は制作会社が担当します。
Q. 英語と中国語、どちらを先に対応すべきか迷った場合の判断手順は? ▾
A. 英語と中国語のどちらを先に対応するかは、社内のデータを見て判断します。まず「過去1〜2年間の海外からの問い合わせ・引き合い」の発信地域を確認します。中国本土・台湾・東南アジア系企業からの接触がすでにある場合は、中国語対応を先行させる根拠になります。このようなデータがない、または不明な場合は英語から始めます。英語を先にするメリットは、翻訳会社の選択肢が多く、英語版を原稿のベースにして他言語へ展開するときのコストが下がる点です。中国語を先にする明確な条件は、中国本土・台湾向け製品で既に商談が動いている場合です。台湾・香港向けには繁体字が必要になるため、「中国語対応」の対象地域を制作会社に明確に伝えることが発注の前提になります。
